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2008年 08月 28日

読書メモ

ウェブ人間論
 梅田望夫 平野啓一郎 

----インターネットの思想とは、そんなふうにリベラルで開放的で全てを共有していて中央がないというのがベースにあり、若い人はそれを体で全部知っているという状態なのです。--- 

----例えば本当に彼ら(グーグルで働く人たち)がどれだけ青臭いかを例を出せば、グーグルでは夏休みにインターンの学生を8週間、世界から300人くらい受け容れるんだけど、そのインターン全員にグーグルに関する全ての情報を開示するらしいんですよ。グーグルを構成するシステム全部のソースコード、世の中には秘密で準備しているすべての新しいプロジェクトの存在を見せてしまうんです。8週間後に出て行っちゃう人たちに。もちろん秘密保持契約書にサインはさせますよ。でも他の会社とは情報開示の程度が全然違う。
初日に、インターン全員が集められて説明があるらしいです。「理想的には、一流のエンジニアは全ての情報が開示された時に最も正しい判断がでいる。自分たちは君たちを一流のエンジニアだと思って信頼しているから、一流のエンジニアが一流の仕事をするためにすべての情報を開示しましょう。だから当然、それを漏らしたり流されたりしては困る。君たちの事を信じるからね。」ってそれだけらし。それでも、インターンたちもやっぱり、「スターウォーズ」っぽい若者たちが集っているから、すごく感動している。----

ハウスメイトが、この夏グーグルでインターンをしていたので、グーグルのことを多く語っているこの本が面白く読めた。オープンソースという概念、グーグルという組織の斬新さ。
world wide webという人類史においてはかなり新しい概念によって、人々の生活が変わっていく、その過渡期を、自分の今の年齢で目撃できてよかったなぁと思う。  



東京奇譚集
  村上春樹
---かたちのあるものと、かたちのないものと、どちらかを選ばなくちゃいけないとしたら、かたち
のないものを選べ。それが僕のルールです。---

村上春樹の作品のうちでも、彼の小説はあまり読まないのだけど、オンラインで本を買ううちに、あと一冊買えば送料が無料になりますとかって言われた・・・ていうなりゆきで、あまり読む気はなかったんだけど読むことになったこの本。彼の小説のなかでは、とても読みやすいものだと思う。
「受け容れる」ということが一貫したテーマであるように思った。pro-choiceというのか、たくさんのオプションが用意されていて、個々の選択の自由が重視される(また可能である)時代である。 私たちは「受け容れなく」なっていると思う。昨今のニートという現象だって、それを許容する金銭的、精神的余裕があってこそ生まれてくる現象であろう。明日のご飯に困ってるような時代にニートは生まれない。酒屋の息子に生まれたからといって、酒屋になる必然性はないし、女に生まれたからといって、専業主婦を強制されることもない。だが「受け容れない」時代にも、受け入れざるをえないものは常に存在する。ゲイであること、生と死、愛すること、愛されないこと エトセトラを物語とした短編集。
村上春樹自身は、一体何を引き受けて生きているのだろう、とちょっと思わせるような、人間の強さとか、希望とか、そいういうのを全く含ませない語り口である。 

     
 

# by lyn1080flatspin | 2008-08-28 13:28
2008年 08月 26日

読書メモ


「決壊」 平野啓一郎 

------ そう、古いよ。赦すもなにも、もう罪なんて、この世界から存在しなくなってるんだから。あの篠原っていう男も、しつこいくらい何度も行ってただろ、遺伝と環境だって。正確には、発生と生育というべきだけどね。。。。犯罪の由来をどこまでも厳密に追及していけばね、憎むべき犯罪者なんて神話は、あっさり解体されてしまうよ。有責性は、どこまでも細かく砕かれていって、最後には秤にもかけられないくらいにまでちっぽけになる。到底、殺人と対照的な重みを保存し続けるはずがない。加害者についての報道は、だから、中途半端であるべきなんだよ分かるとこまるからね。 生物としてのヒトは、絶滅を回避するために、交配を通じて多様性を維持する進化のシステムを利用してるんだろう?その圧倒的に通うな個体が、それぞれに、ありとあらゆる環境の中に投げ込まれる。そうした中で、一個の犯罪が起こったとして、当人の責任なんてどこにあるんだい?犯罪者なんて存在しない。ただ犯罪が存在するだけだ。 略 ああいう生物学的なアプローチは、もう在りし日の精神分析学みたいな、胸躍るファンタジーの世界とは全然違う。中世のスコラ哲学者が、悪を「善性の欠如」と考えて、神の創造したこの世界には非存在だと説いたように現代では冗談でもなんでもなく、悪は「健康の欠如」に過ぎなくなっている。そうしてその健康の優劣は、生物学的な蓋然性の観点から、極めて説得的に分析されているよ。古の偉大な宗教学者が、悪の問題のつもりであつかっていた人間が、実は脳に器質的な障害をあっかえた「病人」だったと知ったり、生育史に重大な問題を抱えた行為障害者だったと知ったりしたら、愕然とするだろうね。 略 どうしてそんな人間を罪を責められる?「罪と罰」なんてうっかり口にしようものなら、とんでもない反動主義者と思われかねない。「罪と治療」いや「病と治療」と言い換えるべきだね------ 



割と、というかかなりグロテスクな作品なので、結構飛ばし読んだけど。平野啓一郎らしいといえばらしい作品だな、と思う。 精神異常者による殺人のお話。 
大した不自由やプレッシャーもない環境に育った人間が、突然キレて他人を殺す、とかっていうケースのほとんどは、生物学的な問題であると思う。遺伝的に、何かと何かの要素(ほとんどは神経伝達系か脳の発達に関するものであろう)が偶然組み合わされた時、とても低い確率ではあるが、非常にシンプルに、他人を殺せる人間が誕生する。
脳科学者は、もっと犯罪者の脳を分析すべきではないだろうか。
何がヒトという動物に凶暴性を持たせるのか?ということは、分子レベルでもっともっと分かっていくだろうと思う。まぁ、そういう研究は、キリスト教が根付いているアメリカでは、進まないのかもしれないけれど。意外に宗教観のない日本のほうが、こういう研究に向いているのかも。。。 犯罪者の人権みたいなものは、日本のほうが守られてそうだけど。 
社会的な実利のためにも、脳科学という学問分野の中に、犯罪学という部門をエスタブリッシュすべきじゃないかなぁと思うのだ。
 

# by lyn1080flatspin | 2008-08-26 15:38
2008年 08月 18日

恋 

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 すべて奪い去るけれど、それでもいいかい?

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# by lyn1080flatspin | 2008-08-18 15:32
2008年 08月 08日

shine

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# by lyn1080flatspin | 2008-08-08 14:53
2008年 08月 08日

文明の欠片


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# by lyn1080flatspin | 2008-08-08 14:38